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非正規社員も厚生年金に 首相、加入条件緩和の意向

朝日新聞Webサイトより

http://www.asahi.com/job/news/TKY201103050367.html
雇用の流動化や就職難から、パートの主婦に加え、最近は若い世代にも非正規労働者が急増している。本来は自営業者を対象にした国民年金加入者のうち、今では雇用されている労働者が4割を占める。そこで将来の不安を減らすためにも、老後に受け取る年金額が比較的多い厚生年金への加入を促す狙いがある。
 
パートタイマーが健康保険・厚生年金に加入するためには、所定労働日数および所定労働時間が正規従業員の4分の3以上を満たすことが必要です。
菅政権は、これを満たすことのできない労働者が増えてきているとの認識の下、加入要件の緩和を検討するようです。
加入要件の緩和自体について、私の立場はニュートラルですが、要件緩和を行うに当っては検討すべきことは多いものと思われます。
現状では一部の個人事業所について、健保・厚生年金の適用事業所から除外されていますが、組織形態が法人か個人かで保険の適否が分かれる点は、併せて検討されてもよいように思います。
また、加入要件を緩和する範囲をどこまで拡げるのかについても、検討が必要です。仮に雇用保険と同様に、週あたり労働時間が20時間以上の場合にまで適用を拡げた場合、時給1000円のパートタイマーのケースを考えると、月収が
1000円×20時間×30÷7=85,714円
となる人にまで適用範囲が拡がることとなり、これは厚労省通達で定める健康保険の被扶養者の範囲である年収130万円未満の方々が該当する水準です。
(ちなみに、この水準は今話題になっている国民年金の第3号被保険者の基準もこれと同様です。また、所得税の扶養家族の要件である103万円未満という水準にもあてはまります。)
いささかこの議論が唐突に持ち出された点は、大変気になるところです。いま掲げた論点以外にも、色々と検討することはあるでしょう。
非正規労働者の加入要件緩和は、この記事にもある通り、数年前に自公政権が法案を上程しましたが、廃案になった経緯もあるようです。
当時の状況については勉強不足でよく分からないですが、慎重にかつ、時間をかけて取り組むべきと思われるこの課題を、どのように検討していくのでしょうか。
残された時間が少ない中での、菅政権の今後の取組に注視する必要があるように思います。