社会保険労務士業、経営コンサルティング業、リサーチ業で人事労務分野をはじめとした経営改善に貢献します。

お問い合わせ

03-5829-9682

メニュー
ブログ

厚生労働省の人材育成支援施策について

先日ハローワークへ行ったときに、入手したパンフレットについて紹介します。

【厚生労働省】「人材育成支援策」のご案内(PDFファイル)

新しい助成金の情報を確認しようと思って手にしたのですが、それに限らず、様々な施策が網羅的に紹介されていました。

1.人材育成基盤を整備するためのツール
2.職業訓練受講者の採用支援
3.能力開発関係の助成金
4.教育訓練機関
5.従業員向けの給付金
といった内容が記載されています。

助成金に関しては、非正規雇用労働者の人材育成を行う場合は「キャリアアップ助成金」、従業員一般に対して事前の計画に沿った教育訓練を行った場合に支給される「人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)」の2つが紹介されています。

私が興味を持ったのは、教育訓練機関のメニューです。主にものづくり分野のトレーニングメニューを提供しているようです。例えば、在職者を対象にした2~5日の集中職業訓練、若手・中堅社員向けの長期(2年間)訓練を実施しています。また、「ものづくりマイスター」が実践的な実技指導を行うといったことも実施されています。(※最近、職業訓練のことをハロートレーニングという愛称で呼ぶようです)

これらの教育訓練メニューについては、ポリテクセンター、ポリテクカレッジ、都道府県能力開発主管部署で詳細を聞けるらしいので、特に建設業、製造業、技能を提供するサービス業を営む企業の皆様は活用を検討されてはいかがでしょうか。

参考までに、東京都産業労働局雇用就業部のサイト「TOKYOはたらくネット」を紹介します。求職者向けのメニューが多いようですが、このサイトで紹介されている中小企業振興公社の研修メニューは比較的充実しているように思います。

「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」

【厚生労働省】「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」を公表します~事業主が従業員の転勤の在り方を見直す際に役立ててほしい資料を作成~

厚生労働省の研究会が、「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015年改訂版)」を受けて作成した資料です。

この研究会では、『転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)』の策定を目指しています。企業の経営上の必要性と、労働者のワーク・ライフ・バランスの両立を目指した内容になるようです。
そのための報告書はこちらで公開されていますが、その内容を踏まえて取りまとめたのが、この資料であると説明されています。

「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」の内容は、まず転勤に関係した法規範を確認し、次に転勤についての「基本的な視点」を提供したうえで、最後に三つのパターンに分けてポイントを紹介しています。三つのパターンとは、

(ア)勤務地を限定しないことを原則とするパターン
(イ)雇用区分を設けて転勤を管理するパターン
(ウ)その他(労働者が決定に関与するパターン)

です。

そして本文の後に、参考資料がいくつか添付されています。転勤に関する法令(参考資料1)、国家戦略特別区域法第37条第2項に基づく「雇用指針」・モデル就業規則(参考資料2)、転勤に関する裁判例(参考資料3)、転勤に関する最近の文献等(参考資料4)の4つです。

参考資料に添付されている豊富な裁判例は非常に参考になると思います。また、文献のうち、労働政策研究・研修機構の実態ヒアリング調査は、現状を知るのに役立つでしょう。

転勤に関して労務管理上の問題が生じた、あるいは転勤に関して社内の制度設計が必要だというときに備えて目を通しておくとよいと思います。

平成26年度「能力開発基本調査」の結果が公表されました

毎年実施されている「能力開発基本調査」の平成26年分が公表されたようです。

私が興味を持ったのは次の点です。

図9、図10→OJTとOff-JTのどちらを重視するかについて、割合は大きく変わっていない(図9、図10)一方で、Off-JT費用の費用を今後3年間増やすとした企業が増えている点(図13、図14)
事業所の人材育成に関する問題は増加傾向(75.9%)で、理由として、ア)指導者がいない、イ)時間がないとしている(図34、図35)。労働者個人も同様に、自己啓発に関して問題を認識(78.4%)しており、原因として、ア)忙しい、イ)費用が掛かりすぎる(図69、図70)としている点
能力開発について、時間がないという認識は労使双方にあり、なかなか難しい問題のようです。
費用に関していえば、企業がOff-JTの予算を増やそうという動きが、労働者の自己啓発の問題の一つである、「費用がかかりすぎる」点を改善するようだと、希望が持てるのかもしれません。

企業がOff-JTに関して特に重視する傾向が強まっているわけではないことと、お金はこれまで以上に出そうとしていることの二つのことについては、あまりよく理解できないのですが、労使にとって少しでも良い方向に向かえばと思います。