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【健康保険】退職者に賞与を支払ったときの保険料と賞与支払届

2017年1月の社会保険新報を読んでいたら、賞与支払届に関する記事が掲載されていました。

賞与支払届の提出はお済ですか?(p6)

記事の一番下に、留意事項として次のような記載がありました。これは少しややこしい話なので、説明を加えてみようと思います。

資格喪失月に賞与が支払われた場合は、保険料の対象にはなりませんが、資格喪失日の前日までに支払われた賞与は、健康保険の年度累計の対象となるため、「賞与支払届」の提出が必要となります。

退職者は退職日の翌日に資格喪失しますが、資格喪失した日の属する月に退職者へ賞与を支払った場合、保険料の徴収および納付は不要です。一方、喪失日の属する月の前月までに賞与を支払った場合は、保険料の徴収および納付義務が生じます。

つまり、退職日が月末日(例えば12月31日)であれば、資格喪失日(1月1日)の属する月の前月が12月になるため、12月中に支払った賞与から保険料を徴収納付をする必要がありますが、月末日以外の日(例えば12月30日)に退職する場合は、資格喪失日が31日となり、その日の属する月の前月は11月になります。すると、12月中に支払った賞与から保険料を徴収し、納付する義務は生じません。

保険料を前月分まで徴収するという規定は、健康保険法第156条3項に規定されています。

前二項の規定にかかわらず、前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない。

月例給与に関する保険料も同様なのですが、基本的に(1)資格喪失日の属する月の分の社会保険料(健保・介護・厚生年金)は徴収・納付する必要がないことと、(2)資格喪失日が退職日の翌日である点を理解していれば、事務を誤ることはないと思います。ぜひご参考にしてください。

ところで、社会保険新報の記載の通り、資格喪失月の保険料徴収・納付が不要であっても、賞与支払届の提出は必要です。これは賞与に関する健康保険料の上限が、一年間に支払われた賞与金額の累計で設定されているためです。転職後も同じ保険者(保険運営者のこと)の健康保険に加入する場合、所属していた事業場が異なる場合でも累計の対象となるため、届出が必要となるのです。
この場合の累計する期間は、毎年4月1日から翌年3月31日までです。これも覚えておくとよいでしょう。