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社会保険適用拡大/500人以下の会社が留意すべき点

10月1日より健康保険および厚生年金保険の適用範囲が拡大(短時間労働者への適用範囲が拡大されます。詳細は記事中の「(参考 適用拡大の対象者)」を参考にしてください)されますが、拡大される対象事業所が法人単位で500人を超える事業所に限定されています。

500人以下の事業所はとりあえず大きな影響はないと思いますが、そうであっても法改正について以下の点は留意しておいた方がよいでしょう。

1) 「4分の3基準」について
短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A(PDF)で次の通り説明しています。

1 1週の所定労働時間、1ヵ月の所定労働日数で判断する。
2 就業規則や雇用契約書等(以下、就業規則等と略します)で定められた所定労働時間および所定労働日数によって判断する。
3 就業規則等で定められた所定労働時間や所定労働日数が要件を満たさなくても、連続して2ヵ月間の実態を見たときに要件を満たし、今後もその状態が継続する場合は、3ヵ月目の初日に要件を満たすものとして取り扱う。

1に関して、従来は「1日または1週間の所定労働時間」及び1ヵ月の所定労働日数で判断していましたが、「1日」の所定労働時間に関する要件がなくなりました。
4分の3基準そのものが微妙に変化したことと、3のような状況での、適用に関する要件が明確になったことには注意が必要です。

2) 被扶養者の異動を確認する
適用拡大によって新たに被保険者になる者の要件に学生は含まれないため、主に配偶者の状況を確認してください。
配偶者が新たに勤務先で被扶養者になった場合、被扶養者から除くための「被扶養者届」の提出が必要です。

(参考 適用拡大の対象者)
特定適用事業所(常時500人を超える被保険者を使用する企業(事業場ではなく法人単位で500人を判定する))に勤務する者で、次のいずれにも該当すること
1 一週間の所定労働時間が20時間以上
2 当該事業所に継続して一年以上使用されることが見込まれること
3 報酬(最低賃金法で判定対象としない、通勤手当・精皆勤手当・家族手当・割増賃金を除く)が、88,000円以上であること
4 学生でないこと

根拠条文 健康保険法第3条1項9号(新設)、厚生年金保険法附則(平成24.8.22 法律第62号)第17条

3) 兄および姉の被扶養者要件(適用拡大以外の改正事項)
被扶養者に関する定義は、健康保険法第3条7項に記載されております。
その第1号で
「被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫及び弟妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの」

とされておりますが、10月1日に「弟妹」が「兄弟姉妹」に改められます。

これまで兄と姉に関しては、生計維持以外に同居が被扶養者になるための要件でしたが、10月1日以降は同居要件がなくなります。別居している兄・姉を扶養している被保険者がいた場合、被扶養者になるための手続きをされることをお勧めします。

以上が500人以下の事業所が留意すべき点です。ご参考にして頂ければ幸いです。

(参考URL)
【厚生労働省】平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がります!(社会保険の適用拡大)

【日本年金機構】平成28年10月より短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大が始まります。