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男女共同参画のブログ記事
今国会で雇用保険法等の一部を改正する法律案が成立しました。これにより、育児介護休業法が改正されます。施行日は10月1日です。


「平成29年改正法」と記載されている箇所が、今回の改正についての一連の資料なのですが、このブログを書いている時点では、改正後の条文と、周知用のパンフレットの2つのみがアップされています。

改正内容について、おおまかな概要はパンフレットをご覧いただければ十分把握できると思います。ここでは改正個所を条文を確認するかたちでご紹介したいと思います。

1 育児休業期間の再延長(2歳まで)
第5条に4項が追加されました。3項(1歳から1歳6ヵ月までの延長規定)と同様の内容で、期間のみ1歳6ヵ月から2歳までの再延長ができる旨に書き換えられた条文が追加されています。

新第5条第4項
4 労働者は、その養育する 1 歳 6 か月から 2 歳に達するまでの子について、次の各号のいずれにも該当する場合に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
一 当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の 1 歳 6 か月に達する日(次号及び第6項において「1 歳 6 か月到達日」という。)において育児休業をしている場合
二 当該子の 1 歳 6 か月到達日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合

なお、雇用保険の育児休業給付の受給期間も2歳までに延長されます。

2 事業主が労働者やその配偶者の妊娠・出産を知ったときに育休制度等を個別に通知する努力義務
上記の努力義務は、第21条柱書にカッコ書きを挿入することで改正されています。

新第21条柱書(下線部が改正個所)
第 21 条 事業主は、育児休業及び介護休業に関して、あらかじめ、次に掲げる事項を定めるとともに、これを労働者に周知させるための措置(労働者若しくはその配偶者が妊娠し、若しくは出産したこと又は労働者が対象家族を介護していることを知ったときに、当該労働者に対し知らせる措置を含む。)を講ずるよう努めなければならない。

3 未就学児を持つ労働者への休暇を与える努力義務
未就学児を持つ労働者に対して、出産前の準備のための休暇、子の行事に参加するための休暇などの休暇を与える努力義務が課されることとなりました。第24条の柱書が改正されています。

新第24条柱書(下線部が改正個所)
第 24 条 事業主は、その雇用する労働者のうち、その小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる休暇(子の看護休暇、介護休暇及び労働基準法第 39 条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除き、出産後の養育について出産前において準備することができる休暇を含む。)を与えるための措置及び次の各号に掲げる当該労働者の区分に応じ当該各号に定める制度又は措置に準じて、それぞれ必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

以上が改正法の内容です。施行が10月1日ですので、もう少し情報が出そろってから準備をしてもよいように思いますが、場合によっては既に着手が必要な場合もあるでしょう。
自社の事情に応じて、施行日に間に合うよう準備を進めてください。

厚生労働省の研究会が、「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015年改訂版)」を受けて作成した資料です。

この研究会では、『転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)』の策定を目指しています。企業の経営上の必要性と、労働者のワーク・ライフ・バランスの両立を目指した内容になるようです。
そのための報告書はこちらで公開されていますが、その内容を踏まえて取りまとめたのが、この資料であると説明されています。

「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」の内容は、まず転勤に関係した法規範を確認し、次に転勤についての「基本的な視点」を提供したうえで、最後に三つのパターンに分けてポイントを紹介しています。三つのパターンとは、

(ア)勤務地を限定しないことを原則とするパターン
(イ)雇用区分を設けて転勤を管理するパターン
(ウ)その他(労働者が決定に関与するパターン)

です。

そして本文の後に、参考資料がいくつか添付されています。転勤に関する法令(参考資料1)、国家戦略特別区域法第37条第2項に基づく「雇用指針」・モデル就業規則(参考資料2)、転勤に関する裁判例(参考資料3)、転勤に関する最近の文献等(参考資料4)の4つです。

参考資料に添付されている豊富な裁判例は非常に参考になると思います。また、文献のうち、労働政策研究・研修機構の実態ヒアリング調査は、現状を知るのに役立つでしょう。

転勤に関して労務管理上の問題が生じた、あるいは転勤に関して社内の制度設計が必要だというときに備えて目を通しておくとよいと思います。


既にご承知の方も多く、対応が済んでいる方も多いと思いますが、平成29年1月より育児介護休業法(以下 育介法)および男女雇用機会均等法(以下 均等法)の改正法が施行されます。

改正法の概要を総ざらいしておきたいと思います。
なお、具体的な就業規則の条文は、後ほど紹介する厚生労働省のモデル条文を参照されるとよいと思いますので、細かな内容というよりは、ポイントをピックアップする形で説明したいと思います。

<育介法改正>
Ⅰ 育児に関する改正内容
1 子の看護休暇が半日単位で取得可能
 原則として、所定労働時間の2分の1単位で休暇を取得することができるようになりました。
 業務の性質や実施体制に照らして半日を単位として取得することが困難と認められる場合に、労使協定を締結することで除外でき、また、所定労働時間が4時間以下の労働者については適用除外となっています。
 さらに、労使協定によって、所定労働時間の半分以外の休暇取得パターンとすることも認められます(例えば、午前3時間、午後5時間の休暇)。

2 有期契約労働者の育休取得要件の緩和
 要件が次のように変わりました
  1. 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること(従前と同様)
  2. 子が1歳6ヵ月に達する日までにその労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかである者でないこと(従前は2歳まで更新されないことが明らかというものでした。)
 ※「1歳以降も雇用継続の見込みがあること」という規定が削除されました。「雇用継続の見込み」という判定基準が曖昧であるためと言われております。

3 育児休業等の対象となる子の範囲の拡大
 特別養子縁組の看護期間中の子、および養子縁組里親に委託されている子等が新たに対象となりました。
 対象となる制度は、育児休業の他に、子の看護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置です。要はすべての制度です。

Ⅱ 介護に関する改正内容
1 介護休業の分割取得、および対象家族の範囲の拡大
 対象家族1人について、介護終了(多くの場合は対象家族の死亡)までの間、通算93日までの介護休業を通算3回までを上限として分割して取得可能となりました。これまでは、要介護状態ごとに93日・1回限りというルールでしたが、平成29年からは家族ごとに93日・通算3回まで休業できることとなりました。
 対象家族の範囲の拡大については、現行では祖父母、兄弟姉妹、および孫については、同居かつ扶養している必要がありましたが、来年1月からは同居・扶養の要件は削除されます。

2 「常時介護」の判断基準の明確化
 対象家族となるためには、常時介護が必要であると認められなければなりませんが、その判定基準がより明確な内容になりました。
 介護保険制度の要介護2以上の状態にあるか、この状態(資料の最後の2ページ)に該当することのいずれかであれば、常時介護が必要と認められます。

3 介護休暇が半日単位で取得可能
 子の看護休暇と同様の改正内容です。

4 介護のための所定外労働の制限
 現行では育児のためにしか認められていなかった所定外労働の制限が、介護のためであっても利用できるようになりました。対象家族ごとに介護終了まで利用できます。

5 介護のための所定労働時間短縮措置の拡充
 「介護休業とは別に」、「利用開始から3年の間で」、「少なくとも2回」の利用が可能となる方向で、制度が拡充されました。

<育介法・均等法改正>
上司・同僚が職場において、妊娠、出産、育児休業、介護休業等を等を理由とする就業環境を害する行為(ハラスメント)をすることがないよう防止措置を講じなければならないとされました。

防止措置の内容の多くは、セクシャルハラスメントの防止措置と同様と考えて頂ければよいと思いますが、具体的には次の通りです。

  1. 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発(否定的な言動がハラスメントの背景になること、制度等の利用ができることの2点は、セクシャルハラスメント防止措置にはない項目)
  2. 相談・苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制整備
  3. 職場における妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメントが生じた場合の事後の迅速かつ適切な対応
  4. 職場における妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置(セクシャルハラスメント防止措置にはない項目)
  5. 1-4までの措置と併せて講ずべき措置(プライバシー保護、相談・調査協力に際して不利益な取り扱いを行ってはならないことを定め、周知すること)
防止措置の詳細は以下の2つの指針を確認してください。



以上が改正内容の概要です。より詳しく知りたい方は、以下のリンクをご確認ください。



厚生労働省が女性活躍推進法に定める認定企業について公表しました。


「えるぼし」の認定は3段階に分かれています。
5つの認定基準のうち、1つ又は2つを満たす場合は1段階目、3つ又は4つ満たすと2段階目、全てを満たすと3段階目としてそれぞれ認定されます。そして5つの認定基準は、

  1. 採用
  2. 継続就業
  3. 労働時間等の働き方
  4. 管理職比率
  5. 多様なキャリアコース
と設定されています。(詳細はこちらのPDFファイルを参照してください。)

今回公表された認定企業は46社とのことですが、そのうち38社は最もハードルの高い認定段階3とのことです。これに続く企業が、1段階目で申請しようとした場合に躊躇するようなことがなければ、、、と余計な心配をしてしまいました。

まだまだ認定された企業の絶対数は少ないですが、他の公表制度に比べれば好調な滑り出しのようにも思えます。認定企業に対しては、公共調達における加点評価や、日本政策金融公庫による融資条件の優遇もあるようですので、可能性のある企業は積極的に取り組んでみるとよいと思います。




女性活躍推進法/事業主行動計画策定指針についての、第4回目のブログです。


第1回目では、女性活躍の意義や課題、第2回目では、組織体制の整備と状況把握・課題分析、第3回目は計画の策定から公表までについて述べました。
今回は計画の推進、情報公表について書いていくことにし、この法律に関する説明を締めくくりたいと思います。

1 計画の推進
計画を立てた後は、それを実施していくこととなります。取組自体は行っていくこととなりますが、計画に織り込んだ目標については、達成する努力義務が課されているにとどまります(法第8条6項)。目標であって必達のノルマではないということです。
計画の推進は、計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)のマネジメントサイクルを運用し、労使が協調して取組んでいくことが求められています。

また、取組時状況が良好な場合は、「認定制度」により取組状況をアピールできるようです。認定基準(PDFファイル)は三段階で設定されています。「三ツ星」や、「金銀銅」といったイメージなのでしょうか。次世代法で、「くるみん」、「プラチナくるみん」マークが設けられていますが、それに似たようなものになるのでは?と思っています。

2 情報公表
計画の公表とは別に、情報公表の規定も設けられています(法16条)。
公表項目は4つのカテゴリに分けられています。採用、継続就業・働き方改革、評価・登用、再チャレンジ(多様なキャリアコース)の4つです。

(1) 採用
・採用した労働者に占める女性労働者の割合(雇用管理区分ごとに把握)
・男女別の採用における競争倍率(雇用管理区分ごとに把握)※
・労働者に占める女性労働者の割合(雇用管理区分ごとに把握、派遣労働者を含めて把握)

(2) 継続就業・働き方改革
・男女の平均継続勤務年数の差異 ※
・10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
・男女別の育児休業取得率(雇用管理区分ごとに把握)
・労働者の一月当たりの平均残業時間 ※
・労働者の一月当たりの平均残業時間 (雇用管理区分ごとに把握、派遣労働者を含めて把握) ※
・有給休暇取得率

(3) 評価・登用
・係長級にある者に占める女性労働者の割合
・管理職に占める女性労働者の割合
・役員に占める女性の割合

(4) 再チャレンジ(多様なキャリアコース)
・男女別の職種又は雇用形態の転換実績 (雇用管理区分ごとに把握)(派遣労働者については雇入れの実績)
・男女別の再雇用又は中途採用の実績 ※

※の項目については、「状況把握」項目と計算方法が違いますので、注意してください。詳細は、パンフレットp29を確認してください。

情報公表は、計画の公表手続と同様に、自社のWebサイトや国が運営する「女性の活躍・両立支援総合サイト」に公表します。

なお、未確定の情報ですが、女性の活躍・両立支援総合サイト」で公表されたデータは、ダウンロードが可能になるようです。ベンチマークとなるようなライバル企業のデータとの比較や、平均値や標準偏差といった基本統計量の算出を通じた自社とのデータ比較が可能になれば、人事管理を行う上で、有用な情報となるでしょう。

3 締めくくりとして
近年、企業に行動目標を計画させて、その達成を促すような法律が色々成立しています。国が最低基準や、措置義務を課して一律の対応を求めるような法制度に加え、国が大きな枠組みとして達成すべき事項のみを定め、詳細は企業の状況に応じた自主的な取り組みを促すという制度が増えつつあると実感しています。次世代法がその端緒であったと思いますが、女性活躍推進法、青少年雇用促進法や、改正安衛法の化学物質のリスクアセスメントでも取組内容自体は企業に委ねるという施策が講じられています。

私たち社会保険労務士の仕事も、単に法規制に精通しているだけではなく、法の趣旨を的確に理解し、企業の実情を踏まえた適切な目標を設定し、マネジメントサイクルの管理を通じて適切なアドバイスをする能力が、今後一層求められているように感じます。



女性活躍推進法/事業牛行動計画策定指針についての、第3回目のブログです。


第1回目では、女性活躍の意義や課題、第2回目では、組織体制の整備と状況把握・課題分析について述べました。
今回は、計画の策定、周知、公表、届出まで説明します。

1 行動計画の策定
行動計画には、
  1. 計画期間
  2. 数値目標
  3. 取組内容及び実施時期
を定める必要があります。そしてその計画には、状況把握・課題分析を考慮して定めることが求められています(法8条2項、3項)。

(1)計画期間
女性活躍推進法は、10年の時限立法となっています。そして、行動計画は進捗状況を見て、改定していくことが予定されているようです。従って、期間は2年から5年程度の計画として、定期的な見直しをすることが望ましいとされています。

(2)数値目標
状況把握・課題分析の結果をみて、個別の会社にふさわしい目標を設定すればよいとしています。「必ずしも、管理職に占める女性比率の上昇等に向けた数値目標である必要はない。」とわざわざ書いているくらいです。この法律が、巷で言われるような一面的な側面だけを強調しているわけでないことに注意が必要です。

(3)取組内容の選定・実施時期の決定
数値目標を設定したものについて、優先順位をつけてその目標を達成するための取組内容と時期を決めるとしています。
取組を行っていくにあたっては、性別にかかわりのない公正な採用、配置、育成、評価、登用が徹底される必要があるとしています。
そのうえで、例えば両立支援施策の整備が進んでいても、それを利用する者が少ないといった問題がある場合は、組織風土や、長時間労働等の働き方の問題を解決することが効果的であると指摘しています。

ところで、計画策定のプロセスの中で、派遣労働者についてはどのように取り扱えばよいのでしょうか。
指針のなかでは、一人一人の職業生活を通じた取組は派遣元、職場風土や長時間労働の是正といった課題は派遣先がそれぞれ取組んでいくことが必要とされています。従って、派遣先で職場風土や長時間労働の課題に取り組む場合は、派遣労働者を含めた取組が求められるとしています。

2 行動計画の周知・公表
(1)周知
行動計画は労働者に周知する必要があります(法8条4項及び8項)。書面交付、電子メールによる送付が、指針の中で例示されています。

(2)公表
自社のWebサイトや国が運営する「女性の活躍・両立支援総合サイト」に公表します。いずれか一つで問題ありません。
求職者、投資家、消費者等が知ることができるように、また、事業主が相互に取組内容を共有することができるように、ということが目的であるとしています。

3 計画の届出
計画の届出については、計画そのものを提出するのではなく、以下の内容を記載した書面を都道府県労働局へ提出します。

  1. 事業主の氏名又は名称及び住所(法人の場合は、代表者の氏名)
  2. 常時雇用する労働者の人数
  3. 計画の策定・変更日
  4. 計画の計画期間
  5. 状況分析の概況
  6. 計画の目標と取組内容の概況
  7. 計画の労働者への周知方法
  8. 計画の外部への公表方法
  9. 情報公表の方法
届出の参考書式は、単独のものと、次世代法の行動計画と一体となったものがこちらに用意されていますが、上記内容が具備されたものであれば、用意された書式以外のものでも提出できます。

以上が、計画策定から公表、届出までの流れです。

次回は、計画の推進と計画以外の情報公表について説明したいと思います。


女性活躍推進法の事業主行動計画策定指針について、引き続き説明します。


前回のブログでは、計画を策定する必要性について述べてきました。今回は、計画策定のプロセスのうち、
  1. 体制整備
  2. 状況把握・課題分析
について述べます。なお、計画の策定自体は常時雇用する労働者が300人を超える事業主が対象です。300人以下の事業主は努力義務にとどまります。

1 体制整備
このような取組につきものの、組織のトップによるメッセージの発信、トップの関与、専任の担当者の配置、継続的な実施を支える組織体制整備が求められています。

実施組織の構成員としては、非正規労働者を含んだ、幅広い層から登用することが望ましいようです。両性が関わり、労働組合にも参画するような、委員会を設けることが効果的であるとしています。

また、状況把握について、法で求められている項目が数値である一方、アンケートやヒアリング等で量的な項目以外の質的な内容も把握するよう努めることが重要であると指摘しています。

2 状況把握・課題分析
(1)状況把握・課題分析の意義
 前回のブログでご説明した通り、女性活躍推進法は、非正規雇用を含めた、あらゆる働き方をしている全ての女性が個性と能力を十分に発揮できることを目指している法律です。
 そのことから、状況把握をする際にも、雇用管理が異なることでそれに伴い実態が異なる場合は、雇用管理区分ごとに状況把握・課題分析を行うことが必要である点に注意が必要です。

(2)状況把握・課題分析の項目
必ず把握すべき項目は次の4項目です。(計算方法は省略。こちらのパンフレットの5ページから7ページをご確認ください。)
  1. 採用した労働者に占める女性労働者の割合(雇用管理区分ごとに把握)
  2. 男女の平均継続勤務年数の際(雇用管理区分ごとに把握)
  3. 労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況
  4. 管理職に占める女性労働者の割合
これらの項目は、厚生労働省が「女性の活躍に向けた課題の中でとりわけ多くの企業に該当する」(前掲パンフレットp5)課題と認識しているようです。

任意に把握すればよい項目は、次の21項目です。
  1. 男女別の採用における競争倍率(雇用管理区分ごとに把握)
  2. 労働者に占める女性労働者の割合(雇用管理区分ごとに把握、派遣労働者を含めて把握)
  3. 男女別の配置の状況(雇用管理区分ごとに把握)
  4. 男女別の将来の人材育成を目的とした教育訓練の受講の状況(雇用管理区分ごとに把握)
  5. 管理職や男女の労働者の配置・育成・評価・昇進・性別役割分担意識その他の職場風土に関する意識(雇用管理区分ごとに把握)
  6. 10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合(雇用管理区分ごとに把握)
  7. 男女別の育児休業取得率及び平均取得期間(雇用管理区分ごとに把握)
  8. 男女別の職業生活と家庭生活との両立を支援するための制度(育児休業を除く)の利用実績(雇用管理区分ごとに把握)
  9. 男女別のフレックスタイム制、在宅勤務、テレワーク等の柔軟な働き方に資する制度の利用実績
  10. 労働者の各月ごとの平均残業時間等の労働時間の状況(雇用管理区分ごとに把握、派遣労働者を含めて把握)
  11. 管理職の各月ごとの労働時間等の勤務状況
  12. 有給休暇取得率(雇用管理区分ごとに把握)
  13. 各職階の労働者に占める女性労働者の割合及び役員に占める女性の割合
  14. 男女別の1つ上位の職階へ昇進した労働者の割合
  15. 男女の人事評価の結果における差異(雇用管理区分ごとに把握)
  16. セクシュアルハラスメント等に関する各種相談窓口への相談状況(雇用管理区分ごとに把握、派遣労働者を含めて把握)
  17. 男女別の職種又は雇用形態の転換の実績(雇用管理区分ごとに把握)
  18. 男女別の再雇用又は中途採用の実績(雇用管理区分ごとに把握)
  19. 男女別の職種若しくは雇用形態の転換者、再雇用者又は中途採用者を管理職へ登用した実績
  20. 男女別の非正社員のキャリアアップに向けた研修の受講の状況(雇用管理区分ごとに把握)
  21. 男女の賃金の差異(雇用管理区分ごとに把握)
なお、任意の項目ということですので、これらの指標以外に、企業独自の指標を作って状況を把握することも推奨されています。

計画を作る前に、状況を正確に把握することは非常に重要です。いわゆるPDCAサイクルというと、最初にいきなり計画(Plan)を作るということになりますが、この法律では、Planの前に状況分析をすべきとしています。この点は、もっと評価されてよいように思います。

女性活躍推進法の特設Webサイトに、計画策定の指針や、施行通達がアップされています。
今後、数回に分けて女性活躍推進法の一般事業主行動計画について説明していきたいと思います。

ちなみにこの特設サイトには、Q&A集も掲載されていますので、作成していくうちに生じた疑問は、まずはここを見て確認するとよいでしょう。

事業主行動計画策定指針の第二部の内容に沿って説明をしていきます。まずは、第二部第一/女性活躍の意義、現状及び課題について説明します。

計画策定について説明をしなければならないわけですが、この記事ではその前提となる、女性活躍の意義、現状、課題について触れている個所について紹介したいと思います。
なぜなら、具体的な計画策定の手順の説明に入る前に、法の理念や、女性雇用の現状についてもう一度確認することは、計画策定にも重要であると考えるからです。
具体的な手順は次回以降紹介しますので、ご了承ください。

1 女性活躍の意義
 女性の活躍というと、いわゆる「バリキャリ」と言われるような、出世コースでバリバリ働くキャリアウーマンを思い浮かべると思います。また、少し前までの議論として、女性の管理職登用が盛んに議論されていたように記憶しています。
 しかし、この法律でいう女性活躍は、女性管理職比率といった一面的な内容ではない点に注意が必要です。指針にはこう書かれています。

女性の管理職比率の上昇は、女性の活躍の一側面を測るものであるが、女性の活躍は、それだけでなく、あらゆる職階や非正規雇用を含めたあらゆる雇用形態等で働く一人一人の女性が、その個性と能力を十分に発揮できることを目指して推進する必要がある。

非管理職層の正規従業員はもちろん、非正規雇用で働く女性を含めた、一人一人の女性が、その人らしい個性と能力を発揮できることが、この法律でいう女性活躍であることに留意が必要です。

2 女性活躍の現状
 女性の雇用の現状として、半数以上が非正規雇用で、管理職に登用されているのは1割にも満たないと記載されています。1割という数字は、欧米諸国だけでなく、アジア諸国と比べても低い水準と指摘しています。

3 女性活躍に向けた課題
以下に述べる雇用管理の各段階において、男女間の事実上の格差があることが指摘されています。
  1. 採用
  2. 配置・育成・教育訓練
  3. 評価登用
そして、その背景として、性別役割意識、長時間労働の問題が存在しており、そのことは、出産・育児の際の継続就業にも影響を及ぼしていると指摘しています。

計画を策定する際に、現状分析や目標設定をすることになりますが、これらの課題認識を前提に実施することになります。従って、ここで述べたキーワードは、分析や計画段階でも目にすることになります。


ところで、性別役割意識については、戦後の高度経済成長期に確立された社会規範と言われています。「男は仕事、女は家庭」という社会規範の下、日本の雇用慣行や年金制度などが成立・発展してきました。
それがバブル崩壊後の90年代の低成長期以降、夫も妻も共に働くという社会が徐々に定着してきています。この法律はそのような社会を一層推し進めることになるのかもしれません。
私は、このような視点で、今後の社会がどのように進展していくのかを見ていくことはとても興味深いと思っています。

次回以降は、計画策定の具体的な手順について述べていきたいと思います。
本年8月28日に参議院で女性活躍推進法が可決・成立しました。
法律は公布の日から施行されていますが、同法で新たに求められる一般事業主行動計画の策定・届出・社内周知・公表及び女性の職業選択に資する情報の公表に関する部分については、平成28年4月1日に施行されます。

ここでは一般事業主行動計画に関する事項と、情報公表に関する事項について簡単に紹介したいと思います。併せて、これらの措置の前提になっている同法の基本的な理念についても紹介します。


ア 「女性活躍」に関する基本的な考え方(第2条関係)
労働政策審議会の建議(女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みについて)の16頁に制度設計の基本的な考え方が述べられています。その内容として、
  1. 「女性の活躍」とは、一人一人の女性が希望に応じて個性と能力を十分発揮できることと定義していること
  2. 女性の活躍を推進するには労働政策にとどまらず、日本社会に存在する様々な阻害要因を取り除く必要があること
  3. そのために、働き方改革と共に、家庭での役割についても男女が共に貢献する、男女共同参画の視点が必要であること
  4. 政府目標として「指導的地位に占める女性の割合」増加を掲げているが、女性の活躍とは指導的地位周辺の一部の女性だけでなく、非正規雇用者、就業を希望するが働けていない者を含めて、あらゆる女性の「女性の活躍」を実現することを目指す必要があること
の4つが挙げられています。同法第2条に女性の活躍推進は、「職業生活における活躍に係る男女間の格差の実情を踏まえ」、「性別による固定的な役割分担等を反映した職場における慣行が女性の職業生活における活躍に対して及ぼす影響に配慮して」行われなければならないと規定しています。様々な社会的な要因を踏まえながら、あらゆる女性の「女性の活躍」を実現できるような政策が行われることになります。

イ 一般事業主行動計画の策定・届出・社内周知・公表(第8条関係)
300人を超える労働者を雇用する事業主に対して、同計画に関する一連の措置が新たに義務付けられることになります。施行日は平成28年4月1日ですので、その日までに全て完了する必要があります。300人以下の事業主は努力義務となっています。

一般事業主行動計画に定める内容は以下の3つです。
  1. 計画期間
  2. 取組によって達成しようとする目標(数値により定量的に定める)
  3. 女性の活躍推進のための取組内容及び実施時期

計画に関する対応は次の手順を踏んで行うものとされています。
  1. 自社の状況(女性の活躍状況)を把握し、今後の課題を抽出する
  2. それを踏まえた計画を策定し、労働局へ届出、社内周知、外部への公表を行う
1については、1)採用者に占める女性比率、2)勤続期間の男女差、3)労働時間の状況、4)管理職に占める女性比率を必ず把握したうえで分析を行うことが求められています。その他任意で把握する項目は10月に省令によって公表されるようです。また、分析のためのツールも、今後厚生労働省が提供するようです。
2については、届出の受付は来年1月より始まる予定であること、社内周知・外部公表の方法は10月に省令で明らかになるようです。そして、女性の活躍状況に関するデータベースを来年2月頃に厚生労働省が公表する予定とのことです。
また、計画は策定するだけでなく、目標の達成についても努力義務として求められていることに注意が必要です。

ウ 情報公表について(第16条関係)
300人を超えるの労働者を雇用する事業主は、イと併せて、女性の職業選択に資する情報を定期的に公表しなければならないとされました(労働者300人以下の事業主は努力義務)。
具体的な公表すべき項目については、10月に省令によって明らかになるようですが、複数の項目から一つ以上の項目を公表することとなる予定です。