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健康保険のブログ記事
事業所が健康保険や厚生年金保険に新たに加入することを、新規適用と呼んでいます。
法人であれば全ての事業所が、個人事業であれば一定の業種で、5人以上の従業員がいる場合に社会保険が強制的に適用されます。

強制適用事業所の範囲(社会保険大学校のテキストより)

強制適用とはいっても、実際に全ての法人事業所に加入を強制する力は国などの機関にはなく、強制適用事業所に該当しているにも関わらず、社会保険の新規適用手続きを行っていない事業所があるのが実態です。
そういう法人から、社会保険の加入手続きについて相談を受け、新規適用手続きを行うことも、私達社会保険労務士の大切な業務の一つです。

ここで問題になるのは、事業主においては保険料事業主負担分が新たにコスト上昇要因として顕在化すること、労働者においては手取り賃金が減少することです。特に零細企業においては、労使双方にとって新規適用は高いハードルになることが多いように思います。

厚生年金に加入していない事業所に勤める労働者は国民年金の保険料を支払っているケースが多いと思いますが、その中には、国民年金保険料を支払っていない方もいるでしょう。それが厚生年金に加入した為に、年金保険料が賃金から控除されて、大幅に可処分所得が減少することになると、労働者の不満が高まることがあります。

事業主がコスト上昇を覚悟して、新規適用を決断したとしても、保険料負担のもう一方の当事者である労働者の納得を得られないと、新規適用をした後に、会社の中にさざ波が起きることがあるのです。(当然ながら、それ以前の問題として、事業主の適用逃れともいうべき状況もみられます。)

年金事務所で行政協力をしていたときに、70歳前後の方で年金保険料を支払っていなかったために年金を受給できず、生活保護を受給されているという方を、多く見てきました。その点を考えても、厚生年金制度の意義はあるものと理解していますが、年金制度自体の信頼性や、世代間の公平性の確保など、課題が多いのも事実です。法律で加入が義務付けられているとはいえ、本当に正しいことをしているのか、考えさせられることがあるのが正直なところです。

新規適用業務を行うときには、時々、このような釈然としない気持ちになることがあります。
そのような状況ではありますが、年金制度自体は日本社会には必要なものであると信じて業務をしています。