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労政審建議 同一労働同一賃金に関する法整備について

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労働政策審議会 同一労働同一賃金部会から、今年の6月に頭書の建議がなされました。



同一労働同一賃金についての検討は、昨年の検討会設置から始まり、首相が議長を務める会議が設置されて、昨年の12月に「ガイドライン案」が公表されました。その後厚生労働省の労働政策審議会のなかの部会で検討が進められ、今般、大臣に対して建議するに至っております。これまでの経緯をまとめると次のようになります。

2016.1 内閣総理大臣施政方針演説
2016.3 同一労働同一賃金の実現に向けた検討会を設置(事務局:厚生労働省・内閣官房)
※国内外の正規・非正規の格差の実態や、現行法制、裁判例などに関する現状把  握や検証を行い、具体的な方策についての論点を整理した。
2016.6 「ニッポン一億総活躍プラン」閣議決定
※法改正の準備を進めること、待遇差の合理性判断のためのガイドラインを作成  することが明記された。
2016.9 働き方改革実現会議を設置(議長:内閣総理大臣 メンバーに労使団体のトップ を含めた)
2016.12 働き方改革実現会議が、「同一労働同一賃金ガイドライン案」公表
2017.3 働き方改革実現会議の決定により、「働き方改革実行計画」が策定された。
※同一労働同一賃金を含めた9つの検討テーマが設定された。
2017.4 労働政策審議会 同一労働同一賃金部会設置
2017.6 同一労働同一賃金部会が、同一労働同一賃金に関する法整備について建議を行う。

以下に、建議のあらましを紹介いたします。参考にして頂ければ幸いです。

1 基本的考え方
・雇用形態にかかわらない公正な評価に基づいて待遇が決定されるべき
・これによって多様な働き方を選択できるようになり、これにより非正規雇用労働者の意欲・能力が向上して労働生産性の向上につながり、ひいては企業や経済・社会の発展に寄与する

 この2つの考え方を方へ明記することが適当であるとしました。長い職業生活のなかには、育児・介護に時間を割く必要のある時期もあれば、病気の治療をしながら働くということもあるでしょう。そういった様々な事情を持つ労働者が意欲をもって働くことが重要であると考えられているのだと思います。

2 労働者が司法判断を求める際の根拠となる規定の整備
 同一労働同一賃金については、平成28年12月に「同一労働同一賃金ガイドライン案」が政府から公表されており、今後、関係者の意見聴取や国会審議を踏まえ、同一労働同一賃金部会の審議を経て確定させる予定としています。ガイドライン案に法律上の根拠を持たせるための法整備が行われることが適当であると建議されました。

 短時間労働者・有期契約労働者の待遇差を正当化できるかどうかの考慮要素については、パートタイム労働法第9条で既に取り入れられている、(ア)職務内容(業務内容、責任)、(イ)人材活用の仕組み(職務内容・配置の変更範囲)、(ウ)その他の事情という通常の労働者と同視すべきかどうかを判定する要素に加え、同法第10条に努力義務規定として定める賃金の考慮要素のうち、職務の成果、能力、経験についても「待遇差が合理的か」という判断の際の考慮要素にすることが適当であるとしています。これは、同一労働同一賃金ガイドライン案とも整合した内容であるように思われます。さらに、労使交渉の経緯等が「その他の事情」に含まれうることや、上記のように具体的に考慮要素を設定することで、逆に「その他の事情」の範囲が狭められることがないように留意することが必要であるとしています。

 派遣労働者については、比較対象となる労働条件が問題になります。派遣先の一般労働者との比較、または同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準の平均以上などの労働条件で労使協定で定めた労働条件と比較するとしています。
 
3 説明義務
 労働者の待遇に関する説明義務については、パートタイム労働法で既に課せられている説明義務を有期契約労働者にも課すことが適当であるとしています。
 派遣労働者については、現行の義務(派遣法第31条の2第1項、2項)に加えて、パートタイム労働法上の義務及び派遣労働者が求めた場合には待遇差の内容やその理由等についての説明義務・不利益取扱禁止を課すことが適当であるとしています。
 
4 行政ADRの整備
 これらの均等・均衡待遇に関する規定は、民事的な効力をもつと解されています。上記のような規定が整備されても、訴訟による権利の実現は、なお労働者の負担が大きいと建議では述べています。そこで労働者が救済を求めやすくなるよう、労働局の紛争解決手続きなどの制度を整備することが適当であるとしています。
 

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