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2017年7月アーカイブ
 発注元企業の閉鎖・縮小、またはその予定により、売上高が10%以上減少する見込みのある企業を対象とした補助金の2次公募が始まりました。

 公募期間は平成29年7月13日(木)~平成29年8月21日(月)です。



 大きな取引先を失ったことで、新たな販路開拓をする場合の費用が補助されます。
補助対象経費は、事業費、販路開拓費、試作開発費で、補助率は3分の2、上限は500万円(下限は100万円)です。

 補助対象経費をもう少し詳しく見ると、事業費については特許権等の知的財産権の取得費用、事業遂行に必要な調査費などが含まれます。販路開拓費については、展示会関連経費や広報費(チラシ、Webサイト制作費用等)などが対象となっています。そして試作開発費は、機器のリース代、購入費用、試作費、実験費が対象です。

 大きな取引先を失った場合、まずは不要不急の経費を見直して、少しでも確実に会社の中に資金が残るような対策をする(つまりコストカットです)ことになりますが、それだけでは事業は長く続かないでしょう。新たな販路を開拓するためには様々な費用を要しますが、このような補助金を使うのも一つの方法であると思います。該当される方は、ぜひ検討してみてください。
労働政策審議会 同一労働同一賃金部会から、今年の6月に頭書の建議がなされました。



同一労働同一賃金についての検討は、昨年の検討会設置から始まり、首相が議長を務める会議が設置されて、昨年の12月に「ガイドライン案」が公表されました。その後厚生労働省の労働政策審議会のなかの部会で検討が進められ、今般、大臣に対して建議するに至っております。これまでの経緯をまとめると次のようになります。

2016.1 内閣総理大臣施政方針演説
2016.3 同一労働同一賃金の実現に向けた検討会を設置(事務局:厚生労働省・内閣官房)
※国内外の正規・非正規の格差の実態や、現行法制、裁判例などに関する現状把  握や検証を行い、具体的な方策についての論点を整理した。
2016.6 「ニッポン一億総活躍プラン」閣議決定
※法改正の準備を進めること、待遇差の合理性判断のためのガイドラインを作成  することが明記された。
2016.9 働き方改革実現会議を設置(議長:内閣総理大臣 メンバーに労使団体のトップ を含めた)
2016.12 働き方改革実現会議が、「同一労働同一賃金ガイドライン案」公表
2017.3 働き方改革実現会議の決定により、「働き方改革実行計画」が策定された。
※同一労働同一賃金を含めた9つの検討テーマが設定された。
2017.4 労働政策審議会 同一労働同一賃金部会設置
2017.6 同一労働同一賃金部会が、同一労働同一賃金に関する法整備について建議を行う。

以下に、建議のあらましを紹介いたします。参考にして頂ければ幸いです。

1 基本的考え方
・雇用形態にかかわらない公正な評価に基づいて待遇が決定されるべき
・これによって多様な働き方を選択できるようになり、これにより非正規雇用労働者の意欲・能力が向上して労働生産性の向上につながり、ひいては企業や経済・社会の発展に寄与する

 この2つの考え方を方へ明記することが適当であるとしました。長い職業生活のなかには、育児・介護に時間を割く必要のある時期もあれば、病気の治療をしながら働くということもあるでしょう。そういった様々な事情を持つ労働者が意欲をもって働くことが重要であると考えられているのだと思います。

2 労働者が司法判断を求める際の根拠となる規定の整備
 同一労働同一賃金については、平成28年12月に「同一労働同一賃金ガイドライン案」が政府から公表されており、今後、関係者の意見聴取や国会審議を踏まえ、同一労働同一賃金部会の審議を経て確定させる予定としています。ガイドライン案に法律上の根拠を持たせるための法整備が行われることが適当であると建議されました。

 短時間労働者・有期契約労働者の待遇差を正当化できるかどうかの考慮要素については、パートタイム労働法第9条で既に取り入れられている、(ア)職務内容(業務内容、責任)、(イ)人材活用の仕組み(職務内容・配置の変更範囲)、(ウ)その他の事情という通常の労働者と同視すべきかどうかを判定する要素に加え、同法第10条に努力義務規定として定める賃金の考慮要素のうち、職務の成果、能力、経験についても「待遇差が合理的か」という判断の際の考慮要素にすることが適当であるとしています。これは、同一労働同一賃金ガイドライン案とも整合した内容であるように思われます。さらに、労使交渉の経緯等が「その他の事情」に含まれうることや、上記のように具体的に考慮要素を設定することで、逆に「その他の事情」の範囲が狭められることがないように留意することが必要であるとしています。

 派遣労働者については、比較対象となる労働条件が問題になります。派遣先の一般労働者との比較、または同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準の平均以上などの労働条件で労使協定で定めた労働条件と比較するとしています。
 
3 説明義務
 労働者の待遇に関する説明義務については、パートタイム労働法で既に課せられている説明義務を有期契約労働者にも課すことが適当であるとしています。
 派遣労働者については、現行の義務(派遣法第31条の2第1項、2項)に加えて、パートタイム労働法上の義務及び派遣労働者が求めた場合には待遇差の内容やその理由等についての説明義務・不利益取扱禁止を課すことが適当であるとしています。
 
4 行政ADRの整備
 これらの均等・均衡待遇に関する規定は、民事的な効力をもつと解されています。上記のような規定が整備されても、訴訟による権利の実現は、なお労働者の負担が大きいと建議では述べています。そこで労働者が救済を求めやすくなるよう、労働局の紛争解決手続きなどの制度を整備することが適当であるとしています。
平成29年6月9日に「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画」が閣議決定されました。この計画は、今年の3月から施行された建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律に基づく計画です。





計画は、1 現状と課題、2 基本方針、3 講ずべき施策、4 必要とされる事項の4つで構成されています。

 現状認識では、労災死亡事故が長期にわたって減少している現状を評価しつつも、一人親方等(一人親方、自営業主、家族従事者)を含めた従事者全体で年間約400名が亡くなっていることを指摘し、労働安全衛生法の対象とならない一人親方等への特段の配慮の必要性を指摘しています。
 また、中長期的な担い手不足に備えるための対策が必要であるとしています。技能労働者の賃金が他の産業と比較して低廉であること、週休二日制の導入が不十分で労働時間が長くなっている点を指摘しています。

 そこで、基本的な方針として、適正な請負代金・工期の設定と、それによる従事者の処遇改善と地位の向上が挙げられています。さらに安全意識の一層の醸成と、設計・施工等の各段階における措置の重要性を指摘しています。

 具体的な施策については、まず安全や健康確保に関する経費の明確な積算を求めています。そして安全や健康確保に配慮した工期の設定ができ、さらに工期の変更も可能となるような環境を整備するとしています。
 また、建設現場では請負契約に基づき、当事者は各々の役割を担っていますので、その責任を明確にするために、立入検査を通じて、一括請負が行われていないか、専任の技術者が配置されているか等を確認するとしています。
 さらに、一人親方等に関しては、建設現場一体となった安全管理を確保していくために、元請負人による統括安全衛生管理の徹底を図り、労働者だけでなく一人親方等の事故も把握・分析していくことが重要であるとしています。また、労災保険の特別加入を促していく必要性も指摘しています。
 現場の安全性の点検に関しては、労働安全衛生法上の義務的な措置にとどまらず、リスクアセスメント等を積極的に実施すること、施策の計画、実施、評価、改善といったマネジメントサイクルを構築することが重要であるとしています。また、ICTを用いた建機の活用や、設計段階での安全上の工夫をすることも促進させたいようです。
 最後に取り上げられた施策としては、作業者の安全健康に関する啓発活動です。不安全行動の防止に資する研修の実施、自主的取り組みを促す情報発信の重要性を指摘しています。

 必要とされる事項として、最初に取り上げられているのは、社会保険の加入です。実務家としての肌感覚では、近年はかなり加入手続きが進んでいるように思いますが、さらなる徹底が必要であるとしています。特に今年は平成24年に制定された「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」から5年が計画する節目の年です。
 さらに、建設労働者のキャリアアップシステムや、週休二日制の定着などの「働き方改革」に即した事項、墜落・転落災害防止への一層の取り組みなどが指摘されています。

 
 最後に一言だけ、最近起きた出来事に関することを述べたいと思います。最近オリンピック関連施設で発生した労働者の自殺が、過労自殺ではないかと報道されていることです。オリンピックの開催のために今後同様の問題が発生する恐れは十分にあると思います。この計画がどこまで効果を示すことができるのか、注視したいと思います。