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2017年5月アーカイブ
厚生労働省から平成28年の労働災害発生状況が公表されました。


以下は私なりに状況をまとめた内容です。特に第三次産業(小売、飲食、社会福祉施設)について着目しました。

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死亡災害は減少傾向である。
死亡災害については、第12次労働災害防止計画の目標水準を達成している。

一方、死傷災害は、長期的には減少傾向が続いているが、小売業、社会福祉施設、飲食店(第三次産業)で増加したことが影響し、全体として前年をわずかではあるが上回った。

第三次産業の死傷者数は割合で前年比3.2%の増加となった。第12次労働災害防止計画の前年である平成24年の水準を上回った。
事故の型別についてみると、いずれの業種も「転倒」が多かった。また、社会福祉施設では、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が最も多く、増加を続いていた。
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製造業や建設業で死亡災害が減少し、重篤な災害が減少している一方、第三次産業を中心に死傷災害については、長期的には減少のペースが鈍化しているといえ、最近の10年程度を見ると改善されていないと言えそうです。

第三次産業の事故の型別で転倒が多いということについては、整理整頓で物品を整理保管することや、清掃の徹底による水や油の除去で防げる部分もあるのではないでしょうか。普段の管理でできるところから改善し、安全で快適な職場を形作ることが大切なように思います。
産業医制度に関して、労働安全衛生規則等の厚生労働省令が改正され、平成29年6月1日より施行されます。産業医による事業所の巡視回数の規制が緩和される等の改正が行われます。




以下、改正内容の概要をご紹介します。なお、改正省令の原文は中災防のサイトを、改正の趣旨や詳細については施行通達を確認してください。

1 産業医の定期巡視の頻度の緩和
以下の3つの要件を満たす場合、毎月一回以上の定期巡視を2ヵ月に一回にすることができるようになりました。
 1)事業者の同意
 2)衛生管理者の巡視結果の情報の提供
 3)衛生委員会で提供すると決めた、労働者の健康障害防止・健康保持に有用な情報の提供(具体例は、施行通達 第2-1-(1)-○5を参照してください。)
 ※施行通達で、2)、3)の情報に加えて、時間外労働時間が100時間を超えた者の氏名と超えた時間を提供することが求められている点に注意が必要です。

2 健康診断結果に基づく医師の意見聴取を行う際の情報提供
 事業者は、意見聴取を行う医師から求めがあった場合、速やかに労働者の業務に関する情報提供しなければならない旨が定められました。施行通達には、労働者の業務に関する情報として、作業環境、作業態様、労働時間等があげられています。

3 産業医に対する長時間労働者に関する情報提供
 時間外労働時間が100時間を超える者に対する医師の面接指導に関し、事業者は労働時間の集計を行う必要がありますが、その集計をした場合に、その労働者の氏名と、時間外労働時間100時間を超えたを時間に関する情報を産業医に提供しなければならないこととなりました。

4 特殊健康診断の異常所見者に対する医師の意見聴取の情報提供
 特殊健康診断の異常所見者に対する就業上の措置に関する医師の意見聴取についても、医師の求めがある場合、労働者の業務に関する情報を提供しなければならないとされました。対象となる省令は以下の8つです。

・有機溶剤中毒予防規則
・鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号)
・四アルキル鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第38号)
・特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)
・高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号)
・電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)
・石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号)
・東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(平成23年厚生労働省令第152号)

以上が一連の厚生労働省令の改正内容です。産業医の巡視頻度については、どのような情報を提供すれば問題なく巡視頻度を減らせるのか、産業医とよく話し合って、慎重に決める必要があるでしょう。
今国会で雇用保険法等の一部を改正する法律案が成立しました。これにより、育児介護休業法が改正されます。施行日は10月1日です。


「平成29年改正法」と記載されている箇所が、今回の改正についての一連の資料なのですが、このブログを書いている時点では、改正後の条文と、周知用のパンフレットの2つのみがアップされています。

改正内容について、おおまかな概要はパンフレットをご覧いただければ十分把握できると思います。ここでは改正個所を条文を確認するかたちでご紹介したいと思います。

1 育児休業期間の再延長(2歳まで)
第5条に4項が追加されました。3項(1歳から1歳6ヵ月までの延長規定)と同様の内容で、期間のみ1歳6ヵ月から2歳までの再延長ができる旨に書き換えられた条文が追加されています。

新第5条第4項
4 労働者は、その養育する 1 歳 6 か月から 2 歳に達するまでの子について、次の各号のいずれにも該当する場合に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
一 当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の 1 歳 6 か月に達する日(次号及び第6項において「1 歳 6 か月到達日」という。)において育児休業をしている場合
二 当該子の 1 歳 6 か月到達日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合

なお、雇用保険の育児休業給付の受給期間も2歳までに延長されます。

2 事業主が労働者やその配偶者の妊娠・出産を知ったときに育休制度等を個別に通知する努力義務
上記の努力義務は、第21条柱書にカッコ書きを挿入することで改正されています。

新第21条柱書(下線部が改正個所)
第 21 条 事業主は、育児休業及び介護休業に関して、あらかじめ、次に掲げる事項を定めるとともに、これを労働者に周知させるための措置(労働者若しくはその配偶者が妊娠し、若しくは出産したこと又は労働者が対象家族を介護していることを知ったときに、当該労働者に対し知らせる措置を含む。)を講ずるよう努めなければならない。

3 未就学児を持つ労働者への休暇を与える努力義務
未就学児を持つ労働者に対して、出産前の準備のための休暇、子の行事に参加するための休暇などの休暇を与える努力義務が課されることとなりました。第24条の柱書が改正されています。

新第24条柱書(下線部が改正個所)
第 24 条 事業主は、その雇用する労働者のうち、その小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる休暇(子の看護休暇、介護休暇及び労働基準法第 39 条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除き、出産後の養育について出産前において準備することができる休暇を含む。)を与えるための措置及び次の各号に掲げる当該労働者の区分に応じ当該各号に定める制度又は措置に準じて、それぞれ必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

以上が改正法の内容です。施行が10月1日ですので、もう少し情報が出そろってから準備をしてもよいように思いますが、場合によっては既に着手が必要な場合もあるでしょう。
自社の事情に応じて、施行日に間に合うよう準備を進めてください。