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2016年9月アーカイブ
10月1日より健康保険および厚生年金保険の適用範囲が拡大(短時間労働者への適用範囲が拡大されます。詳細は記事中の「(参考 適用拡大の対象者)」を参考にしてください)されますが、拡大される対象事業所が法人単位で500人を超える事業所に限定されています。

500人以下の事業所はとりあえず大きな影響はないと思いますが、そうであっても法改正について以下の点は留意しておいた方がよいでしょう。

1) 「4分の3基準」について

1 1週の所定労働時間、1ヵ月の所定労働日数で判断する。
2 就業規則や雇用契約書等(以下、就業規則等と略します)で定められた所定労働時間および所定労働日数によって判断する。
3 就業規則等で定められた所定労働時間や所定労働日数が要件を満たさなくても、連続して2ヵ月間の実態を見たときに要件を満たし、今後もその状態が継続する場合は、3ヵ月目の初日に要件を満たすものとして取り扱う。

 1に関して、従来は「1日または1週間の所定労働時間」及び1ヵ月の所定労働日数で判断していましたが、「1日」の所定労働時間に関する要件がなくなりました。
 4分の3基準そのものが微妙に変化したことと、3のような状況での、適用に関する要件が明確になったことには注意が必要です。 

2) 被扶養者の異動を確認する
適用拡大によって新たに被保険者になる者の要件に学生は含まれないため、主に配偶者の状況を確認してください。
配偶者が新たに勤務先で被扶養者になった場合、被扶養者から除くための「被扶養者届」の提出が必要です。

(参考 適用拡大の対象者)
特定適用事業所(常時500人を超える被保険者を使用する企業(事業場ではなく法人単位で500人を判定する))に勤務する者で、次のいずれにも該当すること
1 一週間の所定労働時間が20時間以上
2 当該事業所に継続して一年以上使用されることが見込まれること
3 報酬(最低賃金法で判定対象としない、通勤手当・精皆勤手当・家族手当・割増賃金を除く)が、88,000円以上であること
4 学生でないこと

根拠条文 健康保険法第3条1項9号(新設)、厚生年金保険法附則(平成24.8.22 法律第62号)第17条 

3) 兄および姉の被扶養者要件(適用拡大以外の改正事項)
被扶養者に関する定義は、健康保険法第3条7項に記載されております。
その第1号で
「被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫及び弟妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの」

とされておりますが、10月1日に「弟妹」が「兄弟姉妹」に改められます。

これまで兄と姉に関しては、生計維持以外に同居が被扶養者になるための要件でしたが、10月1日以降は同居要件がなくなります。別居している兄・姉を扶養している被保険者がいた場合、被扶養者になるための手続きをされることをお勧めします。

以上が500人以下の事業所が留意すべき点です。ご参考にして頂ければ幸いです。

(参考URL)


厚生労働省によると、自動車運転者を使用する事業場は、長時間労働に由来する脳・心臓疾患の労災が多い業種です。

同省としては以前から、継続的に労基法等の法令遵守を啓発しており、その一環として今回の監督指導、送検結果を公表しています。

今回公表された資料のうち、「別紙1」を読んでみました。上記URLに記載されていない内容を以下に紹介します。

1 改善基準告示違反事業場の割合
業種ごと(e.g. トラック、バス、ハイヤー)監督指導された事業場の割合は80-85%で比較的差は少ないが、改善基準告示違反の割合は40%-70%で、業種によってばらつきがみられます。

2 送検事例の概要
また、いくつかの送検事例(違反のなかでも悪質なものが送検されます)が紹介されているが、いずれも運転者が死亡した事案であり、違反の態様は長時間労働・長時間労働による是正勧告に従わないこと・過積載による危険防止措置義務違反である。


運輸業での労災事故は、運転者本人の安全を脅かすのはもちろん、一般市民を巻き込む可能性がある点で、他の事業場とは異なる特徴があると思います。該当する事業者におかれましては、厳しい経営環境のなかでの対応はご苦労が多いと思いますが、人間の生命が脅かされることに十分留意して頂きたいと思います。

化学物質MOCA(モカ)による健康障害の防止対策について関係業界に要請しました

昨年、福井県での膀胱がん事案を契機として、厚生労働省がオルトートルイジンを使用していた事業場に調査をしたところ、7名が膀胱がんにり患していることが明らかになりました。
ところがそのなかには、オルトートルイジンを取り扱ったことがない者がおり、共通に取り扱っていた物質として、「3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン」(MOCA)を確認したとのことです。

これを受けて厚生労働省では、業界団体に対して、暴露防止措置、膀胱がん検診を行うよう、要請しました。

暴露防止措置としては、設備による措置だけでなく、作業内容の見直しや、保護具の装着を要請しています。さらに、経皮・経口暴露対策として保護手袋の装着や、休憩室に入室する際の付着物の除去についても留意するよう呼び掛けています。

健康診断に関しては、MOCAを使用している事業場には現時点では義務付けられていない、膀胱がんの診断を要請しています。

これらの健康管理措置に加えて、書類の保存期間についても、暴露から発症までの期間を考慮して、法定の30年を超えて保存するよう要請しています。