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2015年10月アーカイブ
労働契約法が平成25年4月に改正施行されて,2年半が経過しました。
無期転換ルールが適用される労働者は平成30年4月から現れることになりますので,ちょうど中間点を過ぎたと言えます。

そのようなタイミングで,厚生労働省が無期転換制度の好事例を公表しました。

企業によって制度の内容は様々のようですが,退職金制度を適用する,「正社員」への登用制度を設けるといった,いわゆる「正社員」に接近する方向の制度を設ける会社がある一方で,パートタイム勤務の無期雇用者というカテゴリを設けるような会社もあるようです。

また,好事例と併せて無期転換の例外となる特例制度の認定件数も併せて公表されています。
今年の8月までで1200件余りが認定されているようです。

自社の雇用者をどのように処遇していくのか,労働契約法の改正施行を契機に,よりきめ細かい検討が必要になったと思います。ビジネスの内容と,将来性,そして何より労働者の意向(ニーズ)を踏まえ,効果的な施策を講じる必要性を改めて感じました。
青少年雇用促進法の11条(ハローワークの求人不受理),13,14条(青少年雇用情報の提供)についての検討が進んでいるようです。


まず,ハローワークの求人不受理については,対象条項が検討されました。
  1. 新卒一括採用という特殊な雇用慣行
  2. 心身の発達過程及び家族形成期にあるといった青少年に固有の事情
を勘案して,賃金・労働時間,労働条件明示,男女雇用均等,ワークライフバランス,年少者保護規定の法違反があった場合,それが是正されたときから一定期間は求人票を受理しないという内容になっています。

次に,青少年雇用情報の提供については,提供を求める方法や提供項目が検討されました。
提供項目としては次のような内容が候補とされているようです。

1) 募集・採用に関する情報
  1. 過去3年間の新卒採用者数・離職者数
  2. 平均勤続年数
  3. 過去3年間の新卒採用者数の男女別人数 等
2) 企業における雇用管理
  1. 前年度の月平均所定外労働時間の実績
  2. 前年度の有休の平均取得日数
  3. 前年度の育休取得対象者数・取得者数(男女別)
  4. 役員及び管理的地位にある者に占める女性割合 等
3) 職業能力の開発・向上に関する状況
  1. 研修の有無及び内容
  2. 自己啓発支援の有無及び内容
  3. メンター制度の有無
  4. キャリア・コンサルティング制度の有無及び内容
  5. 社内検定等の制度の有無及び内容 等
情報提供に関しては,新卒採用が対象(一部既卒採用も対象)となっており,幅広く公表することは努力義務,求めがあった場合は,1)から3)までの項目を少なくとも一つずつ公表する義務が生じる予定です。

情報公表に関しては,これまであまり法律上の規定はなかったと思います。企業としては慣れない対応になると思いますので,今後の動向に注視しつつ,状況が確定したときにすぐに対応できるよう,できる準備は進めていくことが望ましいと思います。


頭書の指針が公示され、解釈通達も出されました(PDFファイル)。平成28年6月より義務化される化学物質等のリスクアセスメントについて、具体的な内容が明らかになったようですので、指針の内容及び再度リスクアセスメントの概要を確認したいと思います。

ア)対象となる事業者
安全データシート交付義務のある化学物質等(主として一般消費者の生活の用に供される製品に係るものを除く ※改正安全衛生規則第34条の2の7)を扱う全事業者

労働安全衛生法の改正に伴い、法第57条の3が新設され、化学物質の危険性又は有害性の調査をすることが義務づけられました。

イ)実施すべき調査の内容
  1. 化学物質等による危険性又は有害性の特定
  2. 1により特定された化学物質等に関するリスクの見積
  3. 2の見積りに基づくリスク低減措置の内容の検討
  4. 3のリスク低減措置の実施
  5. リスクアセスメント結果の労働者への周知
これらのうち、4のリスク低減措置の実施については努力義務規定で、それ以外は義務化されています。

ウ)実施時期
以下の時期に実施する義務があります。
  1. 化学物質等を原材料等として新規に採用し、又は変更するとき
  2. 化学物質等を製造し、又は取り扱う業務に係る作業の方法又は手順を新規に採用し、又は変更するとき
  3. 化学物質等による危険性又は有害性等について変化が生じ、又は生ずるおそれがあるとき
また、以下の時期に実施する努力義務規定も併せて定められています。
  1. 化学物質等に係る労働災害が発生した場合であって、過去のリスクアセスメント等の内容に問題がある場合
  2. 前回のリスクアセスメント等から一定の期間が経過し、化学物質等に係る機械設備等の経年による劣化、労働者の入れ替わり等に伴う労働者の安全衛生に係る知識経験の変化、新たな安全衛生に係る知見の集積等があった場合
  3. 当該化学物質等を製造し、又は取り扱う業務について過去にリスクアセスメント等を実施したことがない場合
つまり、法改正以前から引き続き使用している化学物質の危険性又は有害性の調査は、施行日以後も同じ作業方法で使用している限り、義務ではなく努力義務ということになります。(解釈通達pp3-4にも明記されています。)

エ)その他
指針及び解釈通達の内容からは離れますが、リスクの見積もりについては、厚生労働省の職場の安全サイトに、コントロール・バンディングによるアセスメントツールが提供されています。
ツールを使いこなすには、多少コツが必要ですが、とても便利なものだと思います。一度ご活用を検討されてはいかがでしょうか。

参考)
化学物質のリスクアセスメントに限らず、一連の労働安全衛生法改正に関する情報を確認されたい場合は、こちらを参照してください。