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2014年12月アーカイブ
労働政策研究・研修機構の海外労働情報に興味深い記事がありましたので、紹介します。

50年後のガストアルバイター -WSI調査

ドイツでは、第二次大戦後の労働力不足に対応するため、複数の国と二国間協定を締結し、ガスト(客)アルバイター(労働者)と呼ばれる外国人労働者を受け入れました。
彼らは建設現場や工場のライン工として働くことが多かったそうで、「ガスト」が示す通り、当初はさほど長くない期間で本国へ戻るものとされていたようです。

このレポートによれば、帰国せず残留したガストアルバイターの多くは、ドイツ人が嫌がる仕事を担い、それによってドイツ人は社会的な昇進を果たすことができたようです。
ガストアルバイター自身は、少なくとも当初は短期間で稼ぎ、本国で成功者として帰国することを意識していたようですが、そうでない者も少なからずいました。

ガストアルバイターが短期間の労働で帰国しなかった理由や、どれくらいの割合の者がドイツに残留したのか、このレポートでは判然としませんが、残留した多くの者は高齢になり、貧困問題が浮上しているそうです。

そしてWSIはこう結論づけています。
「移住政策を経済政策上の目的で利用しようとする者は、前提となった経済問題が忘れ去られた後も、政策の影響が当事者や社会で存在し続けていることを熟慮すべきである」

人間の寿命は80年近くになるわけですから、当然といえば当然の結論なのかもしれません。移民を受け入れるということの重みや難しさを感じました。
移民を受け入れる動機として、経済的な問題を挙げることは否定しませんが、同時に長期の問題を抱えることは考慮にいれるべきなのだろうなと思います。相手は生身の人間なわけですから。


パートタイム労働法が改正された(施行は2015年4月)のを機に、「パート労働ポータルサイト」がリニューアルされたようです。

厚生労働省Webサイト"「パート労働ポータルサイト」をリニューアルしました"

それによると、新たに次の三つのコンテンツが追加されたようです。

-以下上記URLからの引用-

1「パート労働者活躍企業診断サイト」
  パートタイム労働者の雇用管理や正社員との均等・均衡待遇の現状と課題を チャートなどで確認できる
2「パート労働者活躍企業宣言サイト」
  パートタイム労働者の活躍推進のために自社で行っている取組などをPRできる
3「パート労働者キャリアアップ支援サイト」
  スキルアップやキャリアアップしたパートタイム労働者の事例紹介や、セミナーの案内、
  メールによるキャリア相談など、パートタイム労働者向けの情報を掲載

-引用終わり-

私自身の興味になってしまいますが、診断サイトは面白いと思いました。

「雇用管理の診断」では、義務規定違反、努力義務への対応状況が同業や同規模の水準(水準の算出方法は未確認です)と比較できるようになっています。

また、「職務評価」では、会社への貢献をポイント化し、貢献ポイントと賃金額を変数とした散布図を描くものです。パート労働者と正社員のデータを登録することで、両者の比較ができるようになっています。

企業の実態を情報として可視化して、客観的に比較できるツールは、正確な理解のために重要な要素だと思います。今後の課題としては、情報の客観性をどのように担保するのかということではないでしょうか。第三者による公平な評価があれば、より有用なものになると思います。
最近お問い合わせをいくつか頂いたので、ちょっと書いてみようと思います。

キャリアップ助成金
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html

-以下、上記URLの記載内容を引用-

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(正社員待遇を受けていない無期雇用労働者を含む。以下「有期契約労働者等」という)の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、これらの取組を実施した事業主に対して助成をするものです。

 本助成金は次の6つのコースに分けられます。

I 有期契約労働者等の正規雇用等への転換等を助成する「正規雇用等転換コース」
II 有期契約労働者等に対する職業訓練を助成する「人材育成コース」
III 有期契約労働者等の賃金テーブルの改善を助成する「処遇改善コース」
IV 有期契約労働者等に対する健康診断制度の導入を助成する「健康管理コース」
V 労働者の短時間正社員への転換や新規雇入れを助成する「短時間正社員コース」
VI 短時間労働者の週所定労働時間を社会保険加入ができるよう延長することを助成する「短時間労働者の週所定労働時間延長コース」

-引用終わり-

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者に対して、正社員への転換など、様々な施策を講じた事業主に対して支給される助成金です。人材育成や処遇改善にとどまらず、色々なメニューがあって、処遇改善に取り組もうとする事業主にとっては魅力的なのかもしれませんね。

ところで、施策の対象労働者には、無期契約労働者であっても、いわゆる「正社員」との処遇に差がある労働者も対象になっているそうです。その点が興味深いと思いました。先般の労働契約法改正の影響もあるのでしょうか。

私が助成金のご相談対応をさせて頂く際には、助成金で定められた施策を実施する「会社としての必要性」が先、「助成金自体」はその後ということをご説明申し上げています。
色々な施策を実施するにあたり、就業規則などに記載すればそれは労働契約の内容となる、すなわち、労働者と約束をすることになり、助成金の受給の有無にかかわらず、それ以後はその約束を守る必要があるからです。言われてみれば当たり前ですよね。

目の前のお金に魅力を感じるのは当然ですが、すぐにそのお金に飛びつくのではなく、長い目で見て会社と労働者のためになる施策の立案・実施のお手伝いを、助成金の申請を通じて行っていきたいと思っています。