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2013年8月アーカイブ

知能指数

知能を客観的にとらえる方法としての知能検査を考案したのは、フランスのA・ビネですが、ビネが目指したものと、その後の知能検査の方法や使われ方には大きいな隔たりがあるようです。

<ビネの知能検査>
・精神遅滞のある子供の就学援助を目的とし、正常児か遅滞児かを判断するだけのツールにすぎない
・知能検査の尺度は、経験的な大雑把なものにすぎない
・知能検査の尺度は、「名義尺度」にすぎず、単に分類をしただけと言ってもよい
・精神遅滞は、適切な援助で改善しうるものである

ビネは精神遅滞のある子供たちに特別な訓練を受けさせるためのツールとして知能検査を考案し、訓練を受けることで子供の状況は改善し得ると考えていました。

<ビネ以降の知能検査>
・知能そのものを捉えたと考え、選抜に利用するようになった
・知能が生得的なものであると言う考え方と結びついた
・特定の集団(例えば人種)と検査結果を結び付けて、偏見・差別の根拠となった
・精神年齢を実年齢で除することにより、IQが誕生し、あたかも比率尺度のような使われ方をした

そもそも、知能検査の質問の内容自体も、文化的な背景に依存しており、また、テストで用いられている言語によっても差が生じるものであるにも関わらず、IQが全人類共通の知能に関する物差しとして扱われてしまった歴史を詳しく論じていました。

講談社現代新書 佐藤達哉(1997) 『知能指数』